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2018年02月23日

第14回 川崎STI研究会 報告

2018年2月17日に、第14回川崎STI研究会が開催され、多くの先生方にお越しいただきました。



 

参加された方からメールを頂きましたので報告いたします。

【参加者よりメール】

私は保健婦です。
最新の情報を学ばせて頂き、心より感謝申し上げます。
研究会会場で質問すべきでしたが、1日経ちまして疑問点が3点ほどでてきました。

演者ではない尾上先生にご回答いただきたくお願いいたします。

【尾上】

昨日は第14回川崎STI研究会にご参加いただきありがとうございました。
ご質問にお答えいたします。

【疑問1】

RPR(-) TP(-) でもごく初期の梅毒の可能性はある、ということに対してです。
現在保健所で無料でHIVと同時に梅毒血清反応検査が受けられますが、陰性の結果が1回出ても大丈夫とは言えない、ということなのでしょうか?

【回答】

ご本人がどのような性行動を取られたのかは、知る由もありません。
RPR(-) TP(-) でも 極初期の梅毒の可能性はあります。
ただし、これは局所に病変(初期硬結、硬性下疳、鼠径部リンパ節無痛性腫脹など)がある場合です。
局所に病変部がなければ RPR(-) TP(-) で 梅毒の心配がありません。陰性ということです。

以下は私見です。

しかし、陰性を確認されても、梅毒に関する心の傷を持っている方は、たくさんいらっしゃいます。
感染の機会、不安行為、心に梅毒に関する悩みがある場合は、間隔(3~4か月)をあけて検査をされ、心の平安を勝ち取るように指導いたしましょう。
またインターネットの時代、梅毒に関して検索、勉強される方はいつまで経っても不安は取れません。
これを柔軟に軌道修正してあげる必要があります。
専門医に意見を求めることもよろしいかと考えます。

【疑問2】

典型的な1期、2期の病変は( 10年も無症状な人もあるHIVとは違って)梅毒であるならば必ず出現するものなのでしょうか?

【回答】

典型的な1期、2期の病変とは、1期(初期硬結、硬性下疳、鼠径部リンパ節無痛性腫脹など)、2期(梅毒性皮疹、バラ疹、乾癬、口腔内粘膜疹、梅毒性脱毛など)の症状がある顕症梅毒の病変のことです。
無症候性梅毒ではありません。ということは、病変は必ずしも出現いたしません。
最近の報告によれば、無症候性梅毒は20~30%あります。

【疑問3】

必ずしも病変が出現しない人もあるならば、どのくらいの期間をおいて2回目の検査をすればいいのでしょうか?

【回答】

必ずしも病変が出現しない(無症候性梅毒)場合、
感染機会、不安行為から約6週間以上経過してから検査をいたしましょう。
それでも不安であれば、さらに2~3週間後、検査をしても構いません。
また、問診を丁寧にすれば、患者さんが忘れている症状を思い出すかもしれません。
さらに、症状がなくても、問診後の身体の診察により、何らかの梅毒を疑う所見を得られるかもしれません。
専門医による生殖器、尿道内粘膜、頭、顔面、口唇、口腔内、頸部、胸腹部、乳頭部、手掌、四肢、鼠径部リンパ節、足底、肛門などを診察することです。

ご参考にしてください。
ありがとうございました。

尾上泰彦

【参加者よりの返信がありました】

ネット時代で不安を増大させる患者さんに配慮することの大切さまで気付かされます返信を頂き、医療者としての正しい知識と、寄り添う看護の心の重要性を、改めて認識致しました。
有り難うございました。

まだまだ寒い日が続くようですが、どうぞ御自愛下さいませ。

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