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2018年02月28日

「医療従事者と養護教諭のための性の健康基礎講座」で講演しました

2018年2月25日に、第11回「医療従事者と養護教諭のための性の健康基礎講座」が実施され、『梅毒、淋菌・クラミジア感染症の臨床現場』という演題で、講演を行いました。
 


 
『梅毒、淋菌・クラミジア感染症の臨床現場』
 
【梅毒】
梅毒はTreponema pallidum(TP)による慢性の全身性の感染症で、多くは性交渉により皮膚・粘膜の小さな傷からTPが侵入して感染する。
 
第1期顕症梅毒では、感染後3週間程度でTPの進入部位に初期硬結(5~20mm大)と呼ばれる丘疹が生じ、周囲が硬く隆起し中心に硬性下疳と呼ばれる潰瘍を形成する。
病変はほとんど無痛性で、無治療でも数週間で自然消滅する。
硬性下疳は症状が乏しいため見過ごされることが多い。
 
病変発症部位として男性では冠状溝、亀頭、女性では小陰唇、腟、子宮腟部、MSM(men who have sex with men)では肛門などが多い。
 
その後、鼠径リンパ節無痛性腫脹(無痛性横痃)をきたすが、無治療でも数週間で自然消退する。性器外の硬性下疳としては口唇、口腔内粘膜、乳頭などが多い。
第2期は非常に多彩な皮膚症状が特徴的である。
 
【淋菌感染症】
男性の淋菌性尿道炎は臨床症状が激しいのが特徴的である。
女性の淋菌性子宮頸管炎は約20~30%の方に症状が現れるが、他の方は無症状か症状が乏しい。
 
【クラミジア感染症】
クラミジア感染症は10代後半~20代の性活動が盛んな若者に多く、女性は男性の2倍以上である。
 
男性のクラミジア性尿道炎は感染機会から約1~3週間後、尿道口より漿液性の分泌物が排出され、尿道の痒み、違和感、不快感などを認める。
症状が出る方と出ない方は、ほぼ半々である。
 
女性の子宮頸管炎は症状が出る方は、約20~30%である。
症状は、帯下の増加、下腹部痛、不正出血、排尿痛、性交痛などを認めるが、臨床症状が乏しいことが特徴的である。時に骨盤腹膜炎、不妊症、子宮外妊娠、肝周囲炎を呈することがある。
 
口腔咽頭は性感染症の温床で、淋菌・咽頭感染を高率に認めるが、殆どが無症候で咽頭発赤や扁桃腫脹など他覚的所見が見られない。
 
 
不安行為があれば検査を受け必要により適切な治療を行うことが大切である。
 

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